いつの時代にも、一世を風靡した香りというものがあります。
18世紀に生まれ、形を変え、香りを変え、今なお愛される時代の名香。
様々なニッチ香水や新興ブランドが生まれるなかで、香水の選択肢に悩んだ時は、100年以上愛されてきた名香にもう一度目を向けてみるのもいいかもしれません。
本日は、今なお多くの人に愛される名香とブランドをピックアップしてご紹介いたします。
定番は抑えつつも、人と被らない自分だけの長く愛せる香水を選びたい。
そんな方にぜひ読んでいただければ幸いです。
大人の女性に似合う、100年以上愛される名香
ここからは、大人の女性に似合う、長く愛せる名香をご紹介していきます。
人気の香水ブランドも一緒にご紹介しますので、ぜひお気に入りのブランドや香りのストーリーを見つけてみてくださいね。
マリー・アントワネットも愛したと言われる
世界最古の香水ブランド Houbigant(ウビガン)
画像出典:FASHION PRESS
・マリーアントワネットが死の間際にさえ肌身離さず身につけていた香水
・ナポレオン、英国王やロシア皇帝など王侯貴族の御用達となる
世界で初めて合成香料を用いた伝説的名香。
ベルガモットとハーブ香る渋さのなかに甘さが顔を出す香水
Houtbigan(ウビガン) Fougere Royale(フジェールロワイヤル)
フゼアノートの先駆け。
香りのしないシダ植物をイメージした香りを「フゼア」ノートと呼びます。実際は、シダ植物の香料を使っているわけではなく、トップノートにラベンダー、クマリンという桜餅のような香りの合成香料や、ベルガモット、オークモスなど複数の香料を組み合わせて作られます。ハーブの清潔感や青さ、渋さなどが感じられる、どちらかというとメンズ向けの香調。
フジェールロワイヤルは、世界で初めて生まれたフゼアノートとなります。トップに香るベルガモットとラベンダーの清潔感や爽やかさを感じるところから、ラストはオークモスやアンバーなど重く甘いウッディ調に変化してゆく、高貴で洗練された伝説的名香です。
参考価格:26,400円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
個性的なストーリーが光る英国王室御用達の香水。
伝統に囚われず画期的な香水をクリエートする英国ブランド
PENHALIGON’S(ペンハリガン)
画像出典:L’ATELIER DES PARFUMS 公式サイト
・創業から今まで変わらず、画期的で新しい香水のクリエーションが特徴
英国マルボロ侯爵の「ブレナム宮殿」がテーマ。
爽やかなシトラスが香る、ウッディーノートが美しい香水
PENHALIGON’S(ペンハリガン) Blenheim Bouquet(ブレナムブーケ)
メンズ香水の名作。ユニセックスな香調が好きな方におすすめの香りです。
トップにシトラスが爽やかに香り、だんだんとウッディノートへ。エレガンスと清潔感を兼ね備えた香水です。
参考価格:22,550円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
世紀を超え今なお多くの人に愛される
不朽の名香ブランド GUERLAIN(ゲラン)
画像出典:GUERLAIN 公式サイト
1900〜1950年代はまさに、「ゲラン全盛期」とも言われるほど。
時代を席巻したゲランの名香たちを、ここではご紹介していきます。
・フランス皇室御用達のフレグランス大御所ブランド
・100年以上愛される名香のリバイバルはもちろん、2023年には最高峰フレグランスをリニューアルするなど新しいクリエーションも次々と生み出している
・ボトルにはクリスタルブランド「バカラ社」のものを採用。芸術品のように美しい香水を製作
ゲランで初めて合成香料を用いた名香。
ラベンダーとバニラが曖昧に溶け合う、優雅な香り。
GUERLAIN(ゲラン) Jicky(ジッキー)
ゲランで初めて合成香料を使った、ラベンダーとバニラの競演を楽しむ香水。
エメ・ゲランが若かりし頃に出会ったジッキーという名の女性への恋心を忘れられずに作った名香と言われています。当時まだ新しかったバニリンとクマリンという合成香料をブランドでは初めて用いた香水。
ジッキーは、フゼアのアコードに芳醇なバニラを感じさせる世界初のモダンノートとなります。ゲランを象徴するとも言われるバニラが美しく香る、時代の名香です。
参考価格:18,590円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
昼と夜の間のほんの一瞬、“蒼の時”がテーマ。
バイオレットとパウダリーなアイリスに芳醇なバニラのアクセントを
ダイアナ妃も愛した、ゲランのアイコンフレグランス。
フルーティなピーチにパチュリでスパイスを加えた神秘的な香水
GUERLAIN(ゲラン) Mitsouko(ミツコ)
今から100年以上も前に生まれた名香。ジャポニズム流行下のフランスでジャック・ゲランが小説『ラ・バタイユ』のヒロイン“ミツコ”に着想を得て作った香水と言われています。世界で初めてピーチを香りに用いた香水でもあり、フルーティーなシプレーノートとしても随一と呼べるほどの作品です。
第一印象はフランスのマダム。ピーチやローズの女性らしさに、パチュリやスパイスがエッジを効かせたミステリアスな印象の香りです。
参考価格:18,590円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
「愛の宮殿」をテーマにした官能的な香り。
世界で初めてオリエンタルノートを確立した香水
GUERLAIN(ゲラン) Shalimar(シャリマー)
1921年、3代目調香師ジャック・ゲランが生み出した、世界初のオリエンタルノートと言われる香水。ムガール帝国の皇帝と妃のロマンスをテーマにした、東洋の神秘を感じる香りです。ゲランの香りの方程式(シトラス、アイリス、ジャスミン、ローズ、バニラ、トンカビーンを使うこと)をゲルリナーデと呼びますが、ゲランらしさを守りながらも、オリエンタルで女性らしいセンシュアルさを感じさせる香りとなっています。
参考価格:13,750〜1,390,400円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
サン=テグジュペリの小説「夜間飛行」をテーマに。
お香のような深いウッディノートが楽しめる香水
GUERLAIN(ゲラン) Vol de Nuite(夜間飛行)
3代目調香師ジャック・ゲランの友人であったサン=テグジュペリの小説「夜間飛行」にインスパイアされて生まれた香水。フランスの有名な女性パイロット、エレーヌ・ブシェを女性像に据えており、危険と隣り合わせの飛行に臨む冒険心に満ちた女性へのオマージュとも言えます。お香のような深いウッディノートが特徴的。ガルバナムのグリーンから始まって、フローラルが顔を出し、深いウッディが香るシプレーノートの名香です。
参考価格:16,500円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
「香水はまさに、究極のアクセサリー。」
女性の美しさや在り方を追求したブランド CHANEL(シャネル)
画像出典:FASHION PRESS
・1909年ファッションブランドとして創業し、21年からフレグランス、コスメなどのあらゆるビューティアイテムが現在も多くの人に愛されている
・メンズの香水も多数発表している
世界で一番売れたと言われる香水。
シャネルが思う新しい女性像をフローラルではなくアルデヒドで表現
CHANEL(シャネル) No.5
「香水をつけない女性に未来はない」「香水はまさに究極のアクセサリー」などと、数多くの香水にまつわる名言を残したシャネル。メゾンを象徴する香りとなったNo.5は、シャネルが表現したかった新しい女性像を、フローラルではなく合成アルデヒドをたっぷり使うことで表現した革新的な香水でした。
1921年5月5日、5番目の試作品であったこと、そしてシャネルのラッキーナンバーでもあった「5」から名付けられたと言われますが、当時長いのが当たり前だった香水の名前を端的にNo.で表現したことからもセンセーショナルなアイテムに。
それまで、ジャスミンやスズラン、アイリスなど具体的なフローラルノートで作られてきた香水が、「ミステリアス」「エレガンス」などの抽象的なイメージで表現されるきっかけとなった世界初のアルデヒドノートとなります。マリリン・モンローの名言「寝るときに纏うのは、シャネルのNo.5だけ」からも、離れ難い魅力のある香水だということが伺えます。
参考価格:13,750〜25,630円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
戦後から現在まで多くの人々に愛されてきたファッションアイコン。
女性のエレガンスとフェミニンを体現するブランド DIOR(ディオール)
画像出典:DIOR 公式サイト
・幅広い年代に愛されるブランドであり、身につければ間違いなく可憐な女性らしさを表現できる
フローラルノートの極致。
幅広い世代に愛される、あふれんばかりの花々の甘美な香水
DIOR(ディオール) Miss Dior(ミスディオール)
スズラン、ピオニー、アイリス…溢れんばかりの花々のみずみずしく甘美な香り。フローラルノートといえばディオールといっても過言ではないくらい、女性らしく花々が香る代表的な香水です。
実は、現行のミスディオールが生まれるまでには何度ものリニューアルの変遷が。1947年に初めて生まれたミスディオールは、当時の憧れの女性像、強く洗練された女性のイメージを反映したシプレー・グリーンノートだったんです。興味のある方は、ぜひ調べてみてくださいね。
参考価格:11,000〜21,560円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
最高級素材を、6代にわたるアルチザンが誇る最高峰のクオリティで。
時代を超えて永く愛されるファッションブランド HERMES(エルメス)
画像出典:HERMES 公式サイト
・ジャンクロードエレナを初代調香師に据え、アイコニックな香水を創造
「エルメスのバッグの中に漂う香り」がテーマ。
柑橘系とスパイスが弾ける、エルメス最初の香水
HERMES(エルメス) EAU D’HERMES(オードゥエルメス)
エルメスはバッグなどのファッションブランドとして著名ですが、香水界の巨匠と言われる、ジャンクロードエレナ氏を調香師に据え、多くの人を魅了する香水を生み出しています。
中でも、エルメス初の香水「オードゥエルメス」は、バッグブランドらしくコンセプトもバッグに由来しているのが面白いですよね。ボトルキャップも馬車のランタンからインスピレーションを得たものを採用するなど、細部にエルメスらしい意匠が散りばめられています。
柑橘系とカルダモンなどのスパイスが弾け合う、爽やかでありながらほんのり温かさも感じる香水です。
参考価格:16,390円税込
※2023年11月6日時点の情報です。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
時代の名香から辿る「永く愛せる香水」をご紹介いたしました。
お気に入りの1本が見つかれば、嬉しく思います。