神聖でミステリアスな世界観を香りに。体液がテーマの香水、リキッドイマジネールの「ファンタズマ」をご紹介いたします

香りをトリロジー(三部作)で表現するフランスのフレグランスメゾン、Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)の「ファンタズマ」を本日はご紹介いたします。

Liquides Imaginaires=想像の液体。
想像の世界を香りに昇華させるブランド「Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)」とは

未知の想像を三部作で表現するブランド。
神聖でミステリアスなエロティシズムの表現、香水の原点回帰を目指す

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)は、フランスでデザイナーとニッチフレグランスのレアハンターによって創業された、想像の世界を香りに昇華させるブランド

パフュームの持つ魔法のようなパワーへの飽くなき興味と探究心から、非常に面白いコンセプトの香水を発表しています。
それは時にエロティシズムであり、神話であり、夢にまで見た風景。
彼らの想像の世界から生まれた香りは、そのストーリーの多面性や複雑性ゆえ、解釈に悩むことも多々あります。
でも、その深掘りしていきたくなる複雑さや面白さが魅力でもあるんですよね。


画像出典:Lounge Sai

香水を三部作で表現しているのも、リキッドイマジネールならではの昇華方法。

なぜ、人は三部作を求めるのかという面白い記述があります。

3部作。
この響きには、言い知れない魅力がある。
3部作といわれると、そこには大きなメッセージが流れているように感じる。
デュオロジーは馴染まないけれど、トリロジーだとしっくりくる。
能には古くから伝わる3部構成、序破急もある。
三幕劇、三位一体(トリニティ)、三連画(トリプティック)。
どうやら「3」という数字にも秘密がありそうだ。
出典:Sony Park

私自身、初めてリキッドイマジネールに興味を持ったのも三部作という表現に惹かれていたからだった気がします。
そこにどんなストーリーがあって、それが三部作を通してどのように変化していくのか。
香水を三部作で表現するということは、香りのストーリーにさらなる奥行きを作ってくれる大きな要素なのだと思います。

代表的な三部作を簡単にご紹介

ここでは、Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)の代表的な三部作シリーズを簡単にご紹介します。

キリストの血

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)
画像出典:Lounge Sai 公式サイト

「BLOODY WOOD(ブラッディウッド)」「DOM ROSA(ドンローザ)」「BELLO RABELO(ベロラベッロ)」という3つの香りから構成されています。
ブラッディウッドはフレッシュな赤ワインとベリー系の甘さを感じる香り。
ドンローザはさらに華やかになったロゼシャンパンのような軽さのある香り。
最後のベロラベッロは、焦がしキャラメルのようなスモークな甘さと果実酒の芳醇さを感じられる香りです。
三部作のシリーズごとに重ね付けを楽しんだり、自分が好きなモチーフやストーリーを探してみるのも面白いかもしれませんね。

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)
画像出典:Lounge Sai 公式サイト

価格帯
28,600円から38,500円
ポイント
・想像上の風景や神話、神秘的なエロティシズムなどをテーマに香りをクリエーションするフランスのフレグランスメゾン
・香りを三部作で構成するなど前衛的なコンセプトと表現方法を確立している

体液がコンセプトの香水「Phantasma(ファンタズマ)」

古代医学の四体液学説から着想を得た、「唇の水」をイメージした香り

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)

ヒポクラテスの四体液学説に着想を得たシリーズ。
第1部が「メランコリア」。自らを神聖な病気に罹患させる心の水というコンセプトです。
そして第2部が目からこぼれ落ちる神聖な水をイメージした「ラクリマ」、第3部がこの「ファンタズマ」。

体液がコンセプトの香水と聞いて、初めに想像したのは生々しくて体臭っぽさのある香りだったのですが、ファンタズマは正直、体液というにしては綺麗すぎるかもしれません。
コンセプトを知らずに嗅いだら、なんとなくお茶の香水かと思うほど。

香り立ちのイメージは、お茶、ジンジャー、甘酒のような麹感。
悩みながらも創業者たちのイメージに自分の感覚を近づけて、ようやく体液らしいかもと思える部分は、
ジンジャーのそこはかとない汗臭さや、麹のようなパウダリーな肌っぽい香りです。

香料を見てみると、スパイスをうまく用いているのがこのシリーズの特徴なのかなと思います。
馴染み深いジンジャーやペッパーの香りが入っているから、体液という自分の体に近い存在として捉えられるのかもしれません。それ以外の部分は正直、体液の生々しさは微塵も感じさせない、軽い甘さのあるただただ良い香りです(笑)

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)

四体液学説から着想を得た「唇の水」がテーマ。
コンセプトとは裏腹にティーノートのような清潔感とジンジャーなどのスパイスが癖になる香り

ISSEY  MIYAKE

Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール) PHANTASMA(ファンタズマ)

想像力と現実の感覚が反目し合う唇の水。
ジュニパーベリー、シトラスの清涼感のある香調に加えて、ブラックティーの甘さ、ジンジャーのスパイス感が効いている香りです。
正直、コンセプトにある体液の生々しさは感じないくらい、サラッと抵抗なくつけやすい香りかと思います。
最後はサンダルウッド、ムスクの暖かみのある甘さに落ち着きます。


参考価格:28,600円税込
※2023年12月17日時点の情報です。

最後に


画像出典:Lounge Sai

最後までご覧いただきありがとうございました。

本日は、Liquides Imaginaires(リキッドイマジネール)の体液がテーマの「ファンタズマ」をご紹介しました。

他にも、どんどん深掘りしたくなるコンセプトがたくさん発表されています。
自分の感覚をリキッドイマジネールの世界観に近づけてみるのも面白いかもしれません。
ぜひnoseshopに足を運んでみてくださいね。