フランスの水性香水ブランドBULY(ビュリー)の「ヴァルパンソンの浴女」と復刻作をご紹介します

1803年に創業のフランス総合美容専門店、BULY(ビュリー)の香水「ヴァルパンソンの浴女」とその復刻作を、本日はご紹介いたします。

200年も昔の伝統的なレシピやフランスの美容衛生習慣に基づいて生まれた、総合美容ブランド「BULY(ビュリー)」とは

フランスの美の遺産を残したいという想いから創業した
自然由来の素材と伝統的なレシピを掛け合わせたクリエーションを発表するブランド

BULY(ビュリー)

BULY(ビュリー)は、ヴィクトワール・ドゥタイヤックとラムダン・トゥアミ夫妻によって創業された、フランスの総合美容専門店

初めてBULY(ビュリー)の香水に出会ったのは、その芸術的なブティックを見た時。
アートが描かれた商品がずらっと陳列された、まるでフランスの家のような、高級サロンのようなブティックに惹かれてでした。
入って一番に目を引いたのは、歯磨き粉のチューブと、石鹸。タイルに並べられたそれらを見て、一瞬何のお店なのか分からなくなるとともに、フランスのどこかのクリニックにいるかのような感覚を味わいました。
後からフランスの伝統的な美容衛生習慣に基づいて生まれたブランドだということを知って、その感覚が腑に落ちたことを今でもよく覚えています。


画像出典:公式サイト

BULY(ビュリー)は、総合的な美容専門店でありながら、水性香水という切り口で非常に上質な香りのアイテムも発表しています。
その歴史を遡ること200年、始まりはなんと「香り酢」。

古来より酢は水と蜂蜜を混ぜた水溶液とあわせて、ある種の病気や伝染病を鎮めるため体に塗る特効薬として使われていました。18世紀の酢の調合の中で最も有名なひとつ、通称「4人の泥棒の酢」は、当時流行していた黒死病(ペスト)を撃退したり、予防するのに有効と考えられていました。(……)19世紀になって入浴が名誉を回復してからは、酢の使い方が変化します。薬効成分はそのままに、水に混ぜて使われ、お肌をいきいきさせたり、肌トーンを明るくするトイレット・ビネガーとしてフェイスケアにも用いられました。清潔であることは健やかさと、一定以上の社会的階級に属している証となった時代でした。(……)このような時代の風潮の中で、〈ジャン=ヴァンサン・ビュリーの香り酢〉は生まれたのです。その調合方は1809年と1814年の特許で公式に認められ、痛み止めと完成された美の妙薬として名を馳せました。
出典:公式サイト

BULY(ビュリー)が水性香水という表現方法を選んでいる必然性が、この歴史を知るとよく分かりますよね。

代表的な水性香水を簡単にご紹介

ここでは、BULY(ビュリー)らしさを作っている水性香水について、簡単にご紹介します。

オー・トリプル

BULY(ビュリー)

水性香水は、普通の香水と違いアルコールやエタノールを一切使いません。
そのため、肌だけではなく髪や服にもまとえるのが嬉しいポイント。
自然な香り立ちを楽しむことができます。

BULY(ビュリー)
画像出典:公式サイト

価格帯
16,940円から28,160円
ポイント
・自然由来の素材、特に水性香水という表現方法で、フランスの伝統的なレシピと掛け合わせたクリエーションを発表するブランド
・フランスの伝統的な美容衛生習慣に基づいて生まれた総合美容専門店

ルーヴル美術館コラボシリーズの代表作「The Balgneuse(ヴァルパンソンの浴女)」と復刻作

シャワー後の湯けむりのような清潔感のある香り。

BULY(ビュリー)

ルーヴル美術館コラボのシリーズが大変好きで、その中でも特に愛用している香りが「The Balgneuse(ヴァルパンソンの浴女)」。
俯き加減の女性、滑らかで光沢のある肌、しっとりと水に濡れるうなじ、髪に巻きつけたターバン…
浴女をイメージした香りというのは本当にその通りで、シャワー上がりのしっとりと少し湿った女性の肌を連想させる香りです。
清潔感のあるサボンはもちろん、湯けむりがまだ立っているような湿った肌感を感じられるのが特徴的。
春から夏に移り変わる頃、少し肌が汗で湿るような気候の日にぴったりの香りだと思います。

ただ、しっかりと印象付ける香りや、個性的な香りが好きな方は物足りないと感じるかもしれません。
私もこの香水をつけるのはほぼ夏の暑い日だけ。この香りをつけるとシャワーに入ったような爽快感を感じられるのが好き、という理由で夏に使うのが主でした。
言葉を選ばずいうと万人受けの香り。嫌いな人があまりいない香りだと思います。
柔軟剤や強い香りが苦手な方や、香水で冒険をあまりしたくない方におすすめの清潔感のある香りです。

このシリーズは全部で8種あり、それぞれ別の調香師がルーヴル美術館の絵画を選んでそこからイメージした香りを作っています。

BULY(ビュリー)

コンセプトから、調香師がその絵画をどのように解釈したのかを考えるのが楽しくて、大変好きなシリーズだったのですが2022年に廃盤に。
今回は、「The Balgneuse(ヴァルパンソンの浴女)」の復刻作とも言われるほどよく似た香りの「イリス・ドゥ・マルト」をご紹介します。

肌に馴染むリネンのような清潔感。
地中海の島の微風を感じるほんのり温かみのある香水

BULY(ビュリー)

BULY(ビュリー) IRIS DE MARTE(イリス・ドゥ・マルト)

まるで洗い立てのリネンのような、清潔感のある香り。
ベビーパウダーのような石鹸のようなパウダリー感があって、ほんのり温かみのあるリネンの香りです。
レモングラス、オレンジブロッサムなど柑橘系の香料が地中海の島にいるかのような爽やかさを演出しつつも、ヴァルパンソンの浴女を彷彿とさせる石鹸のような清潔感は健在だと感じます。


参考価格:20,350円税込
※2024年1月11日時点の情報です。

最後に


画像出典:公式サイト

最後までご覧いただきありがとうございました。

本日は、BULY(ビュリー)の香水「ヴァルパンソンの浴女」とその復刻作をご紹介しました。

水性香水だけでなく、ボディオイルや石鹸なども数多く発表されているので、
お気に入りの香りを見つけたら、シリーズで揃えてみるのもおすすめです。
パリのアパルトマンのようなブティックの雰囲気もぜひ体験しに行ってみてくださいね。