華道、茶道、香道・・・日本の美しい芸術をこよなく愛し、香りを通して世界に伝える、
そんな日本の香水界を牽引するようなブランドがある。
日本のあらゆる「道」に慣れ親しんだ調香師大沢さとりが手がける「パルファンサトリ」をご存知だろうか。
今回は、日本の美しい季節や芸術を香りで世界に伝える「香りの外交官」とも称される、PARFUM SATORI(パルファンサトリ)から、抹茶をイメージした香水「HYOGE(ひょうげ)」をご紹介したい。
“深呼吸したくなる香水”と人気を博す日本のフレグランスメゾン「PARFUM SATORI(パルファンサトリ)」とは
日本の湿度や気候に馴染む“軽やかさ”を大切に、香りを発信するブランド
パルファンサトリは、華道や茶道、香道など日本の美しい伝統と芸術をテーマに、調香師大沢さとりのみずみずしい感性で香りをクリエーションする日本のフレグランスブランド。
取り上げられているテーマも日本の風土に基づいたものが多く、わたしたち日本人にとっても馴染み深い香りが発表されている。
パルファンサトリの香りを嗅ぐと、私はいつもどこか遠い記憶を呼び覚まされているような感覚になる。
今回は、パルファンサトリの香りの大きな特徴をはじめ、筆者が特に美しいと感じた香水をひとつピックアップしてご紹介できればと思う。
パルファンサトリの香りの特徴
画像出典:PARFUM SATORI 公式サイト
パルファンサトリは、2000年に誕生した日本のフレグランスメゾン。
今では21のコレクションを揃え、香道からインスパイアされたSATORIをはじめ、今回紹介する茶道がテーマのHYOGEなど、和の伝統を美しく香りに落とし込んでいる。
パルファンサトリの香りは、瑞々しい透明感の中にパウダリーさや甘やかさを併せ持つ、とても軽やかな香りが特徴的。
香りの中に異質なところがないというか、本当に綺麗に「調和」している香りだなといつも感じるのだが、この調香の原点を辿ると、やはりそこには調香師自身の茶道や香道から得た知識や体験が深く根付いていることに感動する。
例えば、「調和」というキーワードひとつとっても、それは茶室に全てが絶妙なバランスで、過不足なくそこに佇んでいる様を彼女は表現しているのだろうし、
香りの「軽やかさ」についても、香炉から立ち上るふんわりとした柔らかい香りを彼女の嗅覚や脳は覚えていて、その記憶が定義する軽やかさを私たちは感じ取っているのである。
パルファンサトリの香りはいわば、調香師自身の人生なのだと思う。
中でも、パウダリックという部分に、パルファンサトリの香りの本質がある。
香りがパウダリーであるということは、軽やかであると同時に、少しドライで抜け感がある、風通しが良いということと同義である。
これは、香道における昇華、つまり香炉の中で香木(固体)が香り(気体)へと変化していく、その美しい経過を表現していることに他ならない。
パルファンサトリで、粉の香料を多く使うことも、この文脈を知ると容易に腑に落ちるだろう。
個人的には、パルファンサトリの美しさは、パウダリックとみずみずしさの両立から生まれていると思う。
とても軽やかで鼻の表面を掠めるくらい儚いのに、渇きを覚えて、もっと深く吸い込みたくなる。
今も、この感覚をなんと表現していいかわからない。(気になった方は、ぜひ実際に嗅いでみてほしい)
PARFUM SATORIはこちらから
画像出典:PARFUM SATORI 公式サイト
・軽やかでパウだリック、同時にみずみずしさもある香りが特徴的。「深呼吸したくなる香水」とも形容される
ほろ苦い抹茶の泡立ちを表現した香水「HYOGE(ひょうげ)」
甘味とうま味が調和する、すっきりと清潔感のある抹茶。
パルファンサトリ HYOGE(ひょうげ)
抹茶を舌で味わうときに残る旨味のようなものと、鼻を通るすっきりとした爽やかさを両方楽しめるティーノート。
ティーノートの香水と言っても、中国茶や英国の紅茶の香りが主要であった時代に、日本茶の美しさを本当に忠実に表現した香りだと思う。
トップに香る清涼感はクラリセージ、バイオレットやパチュリなどの静かな透明感が途中から顔を出し、ラストのイリスが非常に綺麗なハーモニーを生んでいる。
日本らしいティーノートが好きな人には是非おすすめしたい1本。
参考価格:15,840円税込
※2024年3月15日時点の情報です。
最後に
画像出典:公式サイト
今回は、パルファンサトリのブランドストーリーとおすすめ香水についてご紹介した。
公式サイトでは、香りの知識はもちろん、それぞれのラインナップが位置する香りの分類なども見ることができる。
ムエットの取り寄せも行なっているので、ぜひ気になった香りは試していただければと思う。