香りを嗅いだ時、想起するものは人によって様々。
旅先で出会った香りだったり、忘れられない場所の香りだったり、大自然の香りだったり…
過去の体験の記憶が、ふっと香りを嗅いだ瞬間に戻ってくることもあると思います。
本日ご紹介するのは、Diptyqueの名香の一つ「Orpheon(オルフェオン)」。
創業者3人が幾夜も語りあった、忘れられないバーの香りがテーマです。
画像出典:Diptyque 公式サイト
ニッチフレグランスメゾンの代表格
「Diptyque(ディプティック)」とは
自分の表現を自分で作り上げる「自由」を提案
画像出典:Diptyque 公式サイト
Diptyque(ディプティック)は、1961年にフランスで生まれた、インテリア雑貨・キャンドルから始まったニッチフレグランスメゾン。
画像出典:Diptyque 公式サイト
ここ数年はニッチフレグランスとはもはや呼べないくらい、人気沸騰中のブランドです。
今でこそ数々の香水が有名になっていますが、原点はキャンドルであるところがDiptyqueの特徴。
インテリア雑貨から始まったブランドだからこそ、発表するコレクションの中にインテリアシリーズがあったり、キャンドルのクリスマスコフレがあったり、ライフスタイルの観点から使いたいアイテムもたくさん発表されています。
他にも、創業したのが調香師ではなく、画家と劇場監督、インテリアデザイナー3人であるというのも面白いですよね。
ボトルのデザインやコンセプト、アイテム自体にもこのDiptyqueのDNAが色濃く反映されています。
画家と劇場監督、インテリアデザイナー3人が創業
ご紹介するブランド、Diptyque(ディプティック)は画家と劇場監督、インテリアデザイナー3人で創業されました。
画像出典:Diptyque 公式サイト
3人は友達の紹介で出会ったそう。
旅の始まりは、パリ、サンジェルマン大通り34番地のブティック。
後にこの34番地を冠した香りさえ生まれることになるのですが、全てはこの小さなブティックから始まりました。
画像出典:Diptyque 公式サイト
今回ご紹介するオルフェオンは、当時ブティックの横にあったバーの名前。
創業者たちがよく集い、語り、踊ったバーがテーマになっています。
Diptyqueの全ての香水ボトルには、コンセプトを表現するアートが描かれています。
画像出典:Diptyque 公式サイト
オルフェオンに描かれているのは、3人の創業者の横顔。
バー・オルフェオンで3人が楽しげに過ごしている姿をつい想像してしまいますよね。
公式サイトにはさらに詳しいヒストリーが紹介されているので、ぜひ見てみてください。
Diptyqueはこちらから
画像出典:Diptyque 公式サイト
・調香師ではなく、3人の画家、劇場監督、インテリアデザイナーが創業したのが特徴
・始まりは香水ではなく、インテリア雑貨やキャンドル。現代のクリエーションにもそのDNAが垣間見える
代表的な人気香水「Orpheon(オルフェオン)」
テーマになったのは、創業者3人が集った伝説的なバー
「ギムレット(別れ)には早すぎる」
オルフェオンを身につけた時、最初に頭に浮かんだ言葉です。「遠い人を想う」をカクテル言葉に持つジン、ギムレット。
もちろんオルフェオンは鉄板のウッディ香水でもあるので、ギムレットにおけるライムのような清涼感は少ないものの、ジン特有のツンと鼻をつく感じや、ほのかな甘味と苦味を感じさせるノートがトップに躍り出る感覚は皆が持つのではないかと思います。
実はこのジンらしさを作っているのが、ジュニパーベリー。
ジンの香り付けをするときに使われる香料です。
元々、ジンが大好きでした。
2021年にディプティックの60周年を記念する香りとしてオルフェオンが発表された時、コンセプトもそうですが、香りの吸引力はすごかったように思います。
それは、トップに香るジンの爽やかさ、甘さ、苦さに加えて、なんとなく夜のバーで過ごしているような、例えば人々がくゆらせるタバコやカウンターの古い木の香りがして、香り以上の体験を身に纏う人にさせてくれたからかもしれません。
バーがコンセプトではあるのですが、私にとってはタバコ、お酒、いかにもメンズライクな渋さのある香りというよりも、
お酒そのものというか、カクテルの雫のような瑞々しさがある香りだと感じます。
甘さを表現するトンカビーンズや、みずみずしいジャスミン、それら全てがジュニパーベリーと美しいノートを構成している、なんとも魅力的な香水ですよね。
また大変面白いのが、ディプティックがオルフェオンの世界観を香りだけでなく音楽で表現する試みをしたこと。
オルフェオンの調香師とフランスの若手ミュージシャン、ルイス・オフマンが1960年代のあふれ出る活気をジャズ、ボサノバで表現しました。
ぜひ、オルフェオンの香りを音楽と一緒に味わってみてくださいね。
創業者3人が集った伝説のバーの香りを香水に。
爽やかなジュニパーベリーにジャスミン、ほんのりパウダリーな甘さのある香水
Diptyque(ディプティック) Orpheon(オルフェオン)
創業者3人が集った伝説のバーをイメージした香り。
ジンのような爽やかなジュニパーベリーやみずみずしいジャスミンが香り、だんだんとタバコやバーカウンターのような渋さのあるウッディノートへと変化していきます。
最後までパウダリーな甘さは残りつつも、ほんのり哀愁漂うような美しい香りが魅力の香水。
参考価格:27,390円税込
※2023年11月16日時点の情報です。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は、ニッチフレグランス界の名香Diptyque(ディプティック)のオルフェオンをご紹介しました。
オルフェオンだけでなく、数々の名香を生み出してきたDiptyque。
キャンドルをはじめ、普段使いしやすいオードトワレもたくさん展開されています。
お気に入りの香りが見つかれば、嬉しく思います。
公式サイトには、オルフェオンの世界観を体験できるページもありますので、ぜひ見てみてくださいね。